古民家の主は屋敷森を整備中だ。
リタイアしてようやく庭木の手入れができるようになったけれど、40年の月日はすごい。
桜もスモモも見上げるような大木に育ってしまって、どこから手をつけていいかわからないぐらいだ。
それでもほおっておくとますます大樹になってしまうので、毎年少しずつ切る。
コロナ禍でコンサートが休止の今は、時間がたっぷりあるけれど、二人で一緒に仕事ができる日に作業しようとすると、なかなか都合がつかない。
絶対に事故にあわないように、何かあったら直ぐに対処できるように、決して一人では作業しない。
高いところではチェーンソーは使わない。
リタイアシニアの鉄則だ。
なんとか風がない穏やかな日を選んで長い脚立を立てる。
脚立を下でつかんで『無事枝が切れますように』と祈ることしかできないけれど、古民家の主はすごい。
のこぎり一本でどんどん大木を切り落としていく。
屋根瓦にかかりそうだったもみじの古木、大きく枝を広げた桜の大木、切っても切っても大きくなるスモモの木。
少しずつ少しずつ庭がすっきりしてきた。
切った枝はさらに細かく分けて、庭づくりに使う。余っていた瓦も土おさえにする。とにかく古民家にあるものを無駄なく使って庭づくりをしていく。
再開するコンサートまでに、少しでも気持ちの良い家屋敷にしたいと、今日も古民家の主は庭で楽し気に作業中だ。