古民家の広間にある大きな古時計。いつからあるのか覚えていないが、最近ではめったに見かけないぜんまい仕掛けだ。ちょっと斜めにかけると振り子が止まってしまう。だから誰がうったのか水平を決めるところには梁に短い釘がささっている。
なじみの時計屋さんがどこも閉店してしまったので、どこで修理してもらっていいかわからず、止まったままだった古時計。
「うちの近くの時計屋さんなら直してくれるかも・・・。見てもらおうか?」
ボーカルアンサンブルのメンバーが、年末の練習の時にそう言って重い古時計を持ち帰ってくれた。有難い。まだこういう時計を直してくれる職人さんがいてくれることに感謝。止まっていることに気づいて時計屋さんを紹介してくれたボーカルのМさんに感謝。
ぜんまいの調子をみるため、3か月かけての修理。こちらも古民家コンサートの直前に定位置に戻された。
いろいろな方の善意で古民家にもどってきた大きな古時計。コンサートの間中もボーンボーンと懐かしい音を響かせていた。不思議なことに演奏中は一度もならなかった。絶妙のタイミング。ご先祖様もコンサートを聴いていてくれるのに違いない。