古民家暮らし

「巨象の足もと」

「楽しくて仕方がない。」

と古民家の主は言う。

いったいどこが・・?と思っていたが、山に登ってみるとなるほど、わかるような気がする。

「自由に自分の思い通りに道を作ったり、段々を作り上げたり・・。まるで巨大なキャンバスに向かって創作しているよう。」・・・だそうだ。

うーん、こういうのを男のロマンというのかなあ。お世話になっている車屋さんのご主人も、自分の趣味の世界を修理工場の中に広げていたっけ。

 倒木の枝を切り落として階段を作る。朽ちた竹を粉々にして土と混ぜる。ならしたところにスイセンの球根やアンズの苗を植える。来年は、再来年は・・・と夢が広がるのだろう。

 春分の日も過ぎ、日が伸びてきたので、明るいうちはなかなか下山しない。時々のぞきにいく。夢中で作業中だ。構想を練っているのか、ときどき腕組みをしては山全体を見渡す。

「すごいね!」

「まだまだ!」

夕食ができても降りてきそうもない。裏山に向かって叫ぶ。

「そろそろ六時になるよー!」

巨象の足もとは居心地がいいらしい。

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古民家コンサート
静岡県島田市大井川のほとりにある古民家です。 みんなが元気になる、出会いの場、つながる場となれるよう定期的に「古民家コンサート」を開催しております。 発表するものは音楽だけでなく、趣味、習い事、小話など様々です。 地域のお米や野菜の販売もございますので、ぜひお気軽にお越しくださいませ。