「カツオブシムシですね。」
「えーっ!」
この歳になって初めて知った驚異の事実。弓って虫に食べられるんだー!
バイオリンの弓の毛が夏の終わりの頃からぱらぱらと切れるので、さぼっていた張り替えの時期が来たかと、慌てて藤枝市にある弦楽器工房に持っていった。
ぱらぱらと切れた・・というだけで、ケースをのぞいて
「ああ、いましたね。これ、ぬけがらです。」
と虫の被害を見つけてしまうKさん。
さすが腕利きのバイオリン職人さん・・・というと年配のおじさまかと思ってしまいがちだけれど、とんでもなく若い!でも腕は一流だからすごい。演奏ぶりも優雅だ。修理、製作する傍ら、オーケストラの一員として美しい音でバイオリンもビオラも弾いてしまう。
昨年バイオリンを調整してもらったら、下手な腕でも、信じられないぐらい良い音が出るようになった。うまい人が弾けばもっと素敵に鳴るのだろうけれど、それでも下手なりにすごく感動してしまうほど、音が変わった。
某オーケストラの定期演奏会中のこと。休憩が終わり、後半の始まりをアナウンスしたのに団員が出てこない!どうしたんだろうと聴き耳をたてると、どうやら弦楽器に不具合が生じたらしい。ビオラを弾いていたKさんが素早く直してくれたので、休憩がちょっと伸びただけで事なきを得た。本当に弦楽器を弾く者にとっては、頼りになる楽器のドクターだ。
このK氏、次回の古民家コンサートではオーボエと、テレマンのデュオソナタ2番を演奏してくれる予定。わくわくが止まらない。11月24日(日)13時開演です。乞うご期待!