古民家コンサート

「縁の下の力持ち」

古民家の床板を剥いだ。
古民家コンサートに大勢のお客様が来て下さるので、昔ながらの床では強度が心配だった。
天野工務店に相談すると、昨年から一年かけて少しずつ、あちこちの現場を掛け持ちする忙しい仕事の合間に、面倒な仕事を挟んでくれた。
床板の下から現れたのは120年近く前の大工さんたちの仕事ぶり。
裏山の木を切って建てていったというこの古民家。
立木を半分に割り、平らな方を上にして根太にしてあった。便利な機械も電力もない時代にどのようにして手作業で木を刻み、建ててくれたのか。
百年以上たって、今の技術が加わり、根太を増やし、下から床を支える木も加えていく。
床板を貼るまでの細かな測量や微調整に、午前中のほとんどの時間を費やす。
何事も基礎が大事なんだなあと有難く確かな仕事ぶりを見せていただく。
コンサートの5日前、最後の二部屋の床補強が終了した。
これで百人以上のお客様にお越しいただいても安心だ。

今回の古民家コンサートには「地の神様」や「お社」も出展してくれた天野工務店。
必要に迫られて作ったわけではなく、宮大工の技術を後世に、弟子に伝えるために作ったのだと親方は言う。式年遷宮と同じだ。
昔ながらの工法で日本の伝統的な家屋を作ることのできる工務店が減ってきている中、頼もしい職人集団だ。
工事が終わって畳を戻した時、畳の敷き方が部屋によって違っていた。
素朴な質問をすると、部屋の格によって畳の敷き方は違うのだと一人の若い職人さんが教えてくれた。
何も知らずに気付かずにこの歳まで生きてきたことが恥ずかしい・・・。
職人さんってすごいなあ。

ABOUT ME
古民家コンサート
静岡県島田市大井川のほとりにある古民家です。 みんなが元気になる、出会いの場、つながる場となれるよう定期的に「古民家コンサート」を開催しております。 発表するものは音楽だけでなく、趣味、習い事、小話など様々です。 地域のお米や野菜の販売もございますので、ぜひお気軽にお越しくださいませ。